感想と反省① ー第二回 #アイマス学会in札幌 によせてー

1人ではできないこと

仲間とならできること

乗り越えられるのは Unity is strength.

 

765PRO ALLSTARS 「 The world is all one! 」

配点:『集大成』

 

 最近、気温が乱高下しがちですが、いかがお過ごしでしょうか。私はというとやっぱり人が多いとこが苦手なんだよなと4月からの新生活を物憂げに感じてしまう、今日この頃です。

 去る2月20日に、まねきねこ札幌駅前店を主会場として第二回アイマス学会in札幌が行われました。ちょうど1ヶ月前ですね。今回自分は初めて運営サイドになったのですがまぁ、今までの学会イベントとは一味違う経験をすることができました。発表者そして視聴者の皆様、本当にありがとうございました。また、他の主宰の皆様につきましても、本当にお疲れ様でした。特に当日アクシデントがあった際に急遽配信作業を請け負ってくれたListenさん、本当にありがとうございました。

 本記事では、発表いただいた内容について感想を述べるとともに、自身の発表についての反省なんかも書こうかなと考えております。今回のアイマス学会は初の試みとして、オフライン会場で行っているものをYoutube Liveで同時配信しました(アーカイブはこちら→ https://youtu.be/ozztaNgNVcM )。当日アクシデントが何回か起こってしまい、完璧な状態とは言えませんが、ご覧になっていただけたら幸いです。

 

この記事では主に、前半の方々について感想等々を書き連ねていこうと思います。

 

 

セットリスト

(カッコ内は発表者、敬称略で失礼します)

1. 「君・空・我・想」(るこ)

2. 「デレステ5周年CMの舞台はどこだったのか」(K++OH-)

3. 「春期現代文特講(物語編)」(我)

4. 「One life は松永涼の歌である」(POCHA)

5. 「≠」(結崎鰆)

6. 「楽曲に見る櫻井桃華」(かの)

7. 「Athanasia 試論 ―Русский Космизмとアイマス―」(チェズイェン工廠)

8. 「岡崎泰葉への招待状 君も担当にならないか」(からす)

9. 「交通安全的紙芝居」(白神つくも)

10.「突撃!隣の事務所 アポなし旅」(邪険人格)

11.「わたしの「思い出じゃない今日を」」(めろんソーダ

12.「桜井夢子論 或いはノンプレイアブルアイドルを担当するという事」( Kirin )

13.「頭脳派少女のしくじりアイドル道」(チェック人)

14.「話題の『まどきり』って何?調べてみました!」( Listen )

15.「黒猫少女の人間関係」(如月)

16.「治療としてのシャニマス ー視点から考える我々の立ち位置とシャニマスの機能ー」(恒河沙

17.「第一歩!白ほ的ビフォーアフター」(ぺるみん)

18.「その先へ。〜二つのメタファーから見る多田李衣菜〜」(翁)

1. 「君・空・我・想」(るこ)

 初手は運営陣から。シャニマスのフォーマットをパクリにパクっていて(褒め言葉)、その発想と実行力には舌を巻くばかりでした。また、着眼点も「瞳のハイライト」の一点集中で、その扱い範囲の狭さが本当の学会発表でありそうなスタイルで、ある意味、正統派な発表だなと感じました。

 瞳のハイライトの薄さ=反射の少なさというインスピレーションから知覚情報の偏りという話題につなげ、さらにはハイライトが薄いという特徴を彼女の大きな特徴である、独自の人生哲学と、ブレない芯の強さの表面化として捉えているところが「強い」と感じました。

 約1年前に札幌で開かれたアイマス学会にて擬人法という観点で霧子の言葉について咀嚼したプレゼンの終わりに、「レッツ、目押し!」とかぬかしおった後に霧子担当を宣言した彼。確か、あの時が霧子担当プロデューサーとしての彼の初舞台だったと記憶しています。そこから1年経って、また霧子について濃厚なプレゼンをしてくれた彼の愛の深さも感じました。

  2. 「デレステ5周年CMの舞台はどこだったのか」(K++OH-)

   ひょっとこのお面をつけて、傘を持ちながらスーツのお姿はインパクト大でした。5周年CM一ノ瀬志希編に着目して、その舞台はがどこかという検討をなされる、というのは、私個人ではそんなことになっていたのか、と門外漢でした。

 彼の発表のすごいところは学問的な整合性は置いといて、机上の空論にとどまらず、しっかりシミュレーションを組んで厚みを持たせたところではないでしょうか。多分、専門なり、齧った人からはもっと明確な定義なり論理に沿った見解が見出されるのかもしれません。しかし、新しい惑星を生み出すわけでなく、現存する惑星をモデルとしてざっくりとした方向性を示されたのが素晴らしいと思います。

 ちなみに私は、「そもそもデレマスの世界の宇宙は我々の住む宇宙とは違う」という説を提唱して行きたいと思います。

(以下、KOHさんのブログ)

koh-2323.hatenablog.com

 3. 「春期現代文特講(物語編)」(朧灯←私ですね)

3番手私。割愛。

 4. 「One life は松永涼の歌である」(POCHA)

 自分の発表が終わって落ち着いたのも束の間、発表者の位置には腕を組んで仁王立ちしたある男(?)がいました。なぜ(?)なのか。そう彼はポッチャマでした。本人の要望もあり、動画を使った発表でした。いや、動画ということを十二分に生かしたいろんな要素てんこ盛りで、勢いが最後まで衰えない素晴らしい、いや本当に濃い、エスプレッソのような味わいでした。

 松永涼さんといえば、私の中ではアンダーグラフのツバサが素晴らしいチョイスで大好きでone lifeの歌詞について細かく検討したことがなかったのですが、今回のテンポよく一つ一つの歌詞を噛み砕いた解説は、他の彼女のストーリーを読み解き、自分なりに補完してみたい、と感じさせてくれました。

 最後になりますが、「リズムが響き渡る」というのは、個人的にプロデューサーのみならず、アイドルになったことで出会った仲間たちと波長が合ったことや、今までに感じてきた浮き沈みを糧にしている実感が生まれたことも含まれているのかなと感じました。

(以下、つべに上がっている発表動画)

youtu.be

5. 「≠」(結崎鰆) 

 ここで初めて遠隔地からの中継が入りました。デレマス7th live大阪公演で同じ宿に泊まった際に、さまざまなお話を伺っていたので楽しみにしておりました。シンデレラの小学生組は何かと親関係のエピソードが不穏だったりしますが、橘さんは中でもソロ曲だったりSSRだったりで何かと大人びた側面が強調されがちだと認識していました。

 そんな彼女とは何かと縁があり、そこそこデレステSSRを所持しているため断片的に彼女の足取りは追ってきたつもりでした。しかし、彼女を注視してきたプロデューサーさんから語っていただけると、飛び石でない、紆余曲折も含んだ道のりを感じることができました。そして何より彼女の名前が”ARISU”という表記であることは昔から気になっていましたので、一つの解釈が聞けて嬉しかったです。

 また、「フェス限は一つの極地」という言葉、担当(肇・りあむ)のフェス限が引けていない身としては、またサイゲの貯金箱に成り下がることも厭わない、そんな気にさせる説得力がありました。(↓結崎さんのブログ)

ttzack1007346.hatenablog.com

6. 「楽曲に見る櫻井桃華」(かの)

 直前でダメージを喰らうというのもなかなかないと思うんですよ(第一回で直後の発表者にダメージを与えたワタクシ)。U149然り、桃華とありすはよく対比される間柄でもあり、かなり楽しみにしていました。桃華の何が目を引くかというと、出身地ですね。「神戸」。どこ出身?と尋ねると横浜、鎌倉に次いで言われがちな、絶対県名で答えない場所(筆者調べ)。

 櫻井という姓でありながら、薔薇がとてもフィーチャーされる彼女は、今年ようやく2曲目のソロ曲「愛の讃歌」がライブで初披露されたことも、大きい出来事でした。大変申し訳ないことに、私はちゃんと歌詞を確認して聞いていなかったので歌詞を噛み砕いてお話を聞けたのがすごいありがたかったですね。”C’est la vie”についての豆知識も、フランス語をかじっていた自分としてはちゃんとフランス語覚えよ…という気持ちになりました。「それが人生」、この言葉は彼女の毅然とした歩みにもつながるのでしょうか。いや、12歳にしては大人びてますね、強い。もはやブリュンヒルデですよ彼女は(?)

 感想を言うだけです、とおっしゃっていましたが、致命傷を負いながらも担当の魅力を語ってくださった姿はプロデューサーの鑑でした。マスターソングが逆に麻酔として聞いてたのかなぁとも思わずにはいられません。

 7. 「Athanasia 試論 ―Русский Космизмとアイマス―」(チェズイェン工廠)

 現場のポカンとした雰囲気に一人大笑いした当方です。個人的には、一時期ニヒリズムと無常観に傾倒していた時期があったので、徒然草吉田兼好)の「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」に代表されるような日本人の美意識のようなものとして解釈していたので、原義的な仏教での解釈やロシア宇宙主義の視点は新鮮でした。

 彼の主張な中で特にうまいなと思ったのは、ブラジル・日本の共通項からロシアという一種の彼のフィールドにつなげていったことです。ロシアについては私の守備範囲外なので、様々な知見が得られた興味深い時間でした。ソ連崩壊までのあの国の思想は独自路線を突き進んでいたので、今となっては淘汰されてしまった愉快な思考がいっぱいです。よかったら皆さんも哲学、やってみませんか?

 割と自分にとってもアイマスという文脈抜きにして大きいものを残していった曲、それがAhtanasiaなのでまた言葉を交わしたい所存です。

8. 「岡崎泰葉への招待状 君も担当にならないか」(からす)

 からすさん、声めっちゃいい声ですよね。羨ましい。また、シンデレラガールズのアニメからアイマスに入って、岡崎泰葉という女の子、アニメに出ていない女の子を担当していることが個人的にすごく嬉しかったです。シンデレラガールズはアイドルが多いですから、なかなか声がまだ聞こえないアイドルまで見てもらえることは本当に言葉にできません。

 岡崎泰葉、という少女に関しては、私の担当にいる白雪千夜という女の子がモバマスのイベントでお世話になったり、初期の頃は追っていたこともあったので彼女の重さを表現することが難しいと思っていました。からすさんもかなり難産だったとブログの方で述べられていましたが、初めて見る人にも伝わりやすく丁寧に作られていて、感嘆していました。彼女の最大の特徴はその芸歴の長さからくるバックボーンとそのストーリーから生まれる浄化に近いものだと思っています。その中で、からすさんは何を感じられたのか、今回はかなり抑え目で話されていたようでしたのでお聞きできたらいいなとも思っています。(↓からすさんのブログ)

karasu11090cs.hatenablog.com

9. 「交通安全的紙芝居」(白神つくも)

 交通事故。暴走車両に轢かれるが如く、アイマスの中でも割と起こっていますね。ポプマスが始まったこともあり、交通戦争の様相を呈しております。私も、nano.RIPEが大好きで、流星群とプラリネがきみコさんの声でしか聞こえない病気に罹患しているので三好先生の曲だと公表されて前後不覚に陥るつくもさんの気持ちは少し理解できるつもりです。作曲者が彼だから、ではなく聞いた感触がヒットしたから調べたら同じ人だった、という打率の高さという定義の仕方に強くうなずいてしまいました。

 それはそうと、つくもさんの衝突事故の様子をお話ししていただいた上で、交通事故の回避は不可能、事故は楽しめという教訓はかなり説得力がありました。(つくもさんのブログ↓)

tsukumowhite-blog.hatenablog.com

10.「突撃!隣の事務所 アポなし旅」(邪険人格)

シンデレラガールズにおいて、一つの難題。それはシンデレラガールズのプロダクションは一枚岩か、はたまた群雄割拠か。そのような議論はおいといて、全アイドルについて分析調査を行うというのは、新しい視点だなと思いました。そして、その異常なスカウト率の高さを、「スカウトの専門でなく、売り込みの専門であるプロデューサーが行っているから」という仮説を導き、アニメやデレステを横断して集約して話を進めていく。かなり広い括りで話が進んでいく中でも、きらりちゃんと乙倉ちゃんの関係性や、アニメでの美穂・卯月のユニット活動に最終話で響子が加入している様子など、この話だからこそ盛り込めるアイドルのエピソードがある、というのもシンデレラガールズの深さだと思いつつ、網羅しつつそのようなエピソードを探し当てられているのが素直に感嘆しました。

 

とりあえず、ここまで。まだまだ感想はありますので、またまとめます。アフタートーク(4時間強)も行われ、色々とおしゃべりする機会はありましたが、それはそれ、これはこれ。