アイマス学会 in 北九州 に参加してました

「理解り合えなくても

 変わり者かも、でも

 歩みを進めよう

 自由はそこにある

配点(漸進)    」

 

 光陰矢の如し。いつの間にか年が明けていました。なんてこった。昨年は自分にとっていろいろ動いた年であり、そのことを少しでもまとめておこうと思ってここを立ち上げたものの、しばらく放置しっぱなしになっていました。というわけで、できる限りまとめておこうと思います。

 

 

 人生初、九州上陸(アイマス学会 in 北九州)

 12/21にKIPROホール(福岡県北九州市)にて行われた、「アイマス学会 in 北九州」に参加させていただきました。これは、札幌での第一回の後に自分がぽろっとこぼしたツイートを今回の発起人であるオミーPさんに拾ってもらったところから繋がったご縁でした。本当にありがとうございました。まぁ、座談会の方でも「どうかしてる」と言われていたようですが(苦笑)。

 

 あの時の発表を振り返ってみると、時間の制約の中で削った部分や、M@STER SONG がかかって以降の感情が昂り、言葉がうまく紡げないところや、言いそびれたことがあったので補足しつつ、あの日の発表をまとめていきたいと思います。聞いていただいた方に何かが届けられていれば幸いです。

 

 以下、スライドを一部交えながら、まとめていきます(文体も口語的になります)。

 

発表まとめ(導入)

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 第1回札幌に引き続き、通算3回目の発表になった今回。タイトルを主題「燎火」、副題「- over thousands of nights -」と名付けました。まず、「燎火」というのは、今までの彼女を取り巻く環境や彼女自身を表す言葉であり、今後の彼女の変化も炎がゆらゆらと燃え広がるように少しずつでも進んでいけばいい、そんな思いから。副題に関しては、彼女の名前と、今後彼女が経験するアイドルの世界を振り返り、何かを思う夜を何度も繰り返して彼女の人生が変わっていってほしい。そんな思いから。

 

 では、その彼女とは誰か。それは白雪千夜という、6th live 名古屋公演2日目に発表された新規アイドルの一人にして、黒埼ちとせ(以下、ちとせ嬢)とユニット”Velvet Rose”を結成し、楽曲「Fascinate」を引っさげて登場した女の子です。

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 また、彼女の登場はある種の衝撃をプロデューサー(以下、P表記)たちに与えたことで記憶に残っているかもしれません。満足に183人のアイドルを活かしきれているとは言えない中でのアイドル追加、登場時点で声優さんがあてがわれていたこと、そして彼女自身のキャラクター性は、非難や中傷、そして敬遠などの行動を一部のPたちがとってしまうのに十分すぎるぐらいに強烈だったこと。そんな様々なポイントを持って彼女はシンデレラガールズ に仲間入りしました。

 ここだけの話、久川姉妹が比較的暖かく迎えられたのは、ちとせ嬢と彼女がそれらを一身に受け切っていたからかな、とも思っています。

 

 果たして彼女は異質なのか

 そんな彼女自身の特徴といえば、Pのことを「お前」と呼ぶことがまずあげられると思います。ゆくマスでも赤羽根さんが言及されてましたしね。当初はこの呼び方が失礼だ、と言われていましたが、果たして183人もいるシンデレラガールズのアイドルの中で異質なものでしょうか。例えば、シンデレラの代表格である渋谷凜や、桐生つかさは「あんた」呼びだったし、炎陣の特攻隊長、向井拓海に至っては、呼び捨て。こう言った面々を見ていくと、「お前」呼びはそこまで特殊なものではないと思えます。では、シンデレラガールズ における異質さとは何なのか。私なりに2パターン考えてみました。

 

 私の思うシンデレラガールズ における異質さとは、時子様タイプと泰葉ちゃんタイプの2パターンに大きく分けられると思います。

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 前者は、Pとの関係の異質さがあります。他のアイドルたちとPの関係性はPを慕う、ないしPが導く関係もしくは、互いの目標に向かうための対等な関係のどちらかです。しかし、時子様の場合は違います。時子様とPの関係は、女王である時子様に対し、Pが従者のように提言するような関係すなわち、時子様が上の立場であるという異質さがあります。

 

 対して後者のタイプは、泰葉というキャラクターの特徴に起因するところが多いです。ただし他にもこのタイプに当てはまるアイドルはいます。しかし、彼女にその傾向が顕著なため、今回は泰葉タイプと呼称しています。このタイプの特徴は、時間を利用したアイドルの変化ということです。覚醒前後で態度が変化するアイドルは少なからずいる中で泰葉は、初期のPと距離をおいていたところから、信頼しきるまでに約1年かかりました。更にそこから過去と向き合い、昇華するまでに3年の歳月を要しました。ソシャゲという回転が早いゲームで、キャラクターの変化に五輪一周期分の時間をかけることができ、さらには、8年目にして初期からの変化でカタルシスをPたちに与えました。これは、かなり異質であると言えるでしょう。

白雪千夜は、めんどくさい

 では、白雪千夜はどちら側に属すと言えるのか。彼女をどちらかに分類するのならば、私は後者であると思います。その理由としては、ちとせ嬢が「昔はよく笑う子だった」と言っていること、またデレステモバマスのコミュでの言動や行動が挙げられます。

 

 ここからは自分の推測が多分に含まれた話になります。まず彼女は、12歳の頃に火事に会い両親を失っていると考えられます。また、その後にちとせ嬢の元に引き取られるまでの間にもたらい回しのような厄介ごとに巻き込まれ、そしてちとせ嬢の元に引き取られた。その時には今のように淡々とした彼女の原型ができていたと考えられます。その後、ちとせ嬢との暮らしの中でちとせ嬢に半分依存しているような今の関係性が構築されていったのでしょう。身内などの大事な人を失い、さらに不条理さを目の当たりりにしたことで、彼女は大切なものを増やさなければ悲しくならないという境地に至り、唯一の指針としてちとせ嬢を溺愛し、従者という言葉で自分を保とうとしている姿が、今の白雪千夜という女性ではないでしょうか。

 

 そう考えた私は、彼女が「人形」だと思えませんでした。確かに傍目から見た彼女は自己否定と他者優先の献身を絵に描いたような女性ですが、よく観察しているとちとせ嬢と彼女自身の2人きりの世界の中でちとせ嬢を失うまいと付き従う少女のように見えます。これ以上、失う悲しみを味わいたくない、どうせ大切に思っても消えてしまうということが身に染みているからこそ、他者との距離を取り、深く関わらないようにしているのではないでしょうか。こう考えると、彼女が語るように白雪千夜という女性が「無価値」で「平坦」な人生を心から望むような女性と、思えなくなったんですよね。

 

 ここに至るまですら、今までに彼女が登場したコミュやカードのテキストを具に見ています。彼女がちとせ嬢によって連れてこられたアイドルの世界に触れる中で少しずつ、本当に少しずつではありますが、自己認識や、アイドルという存在に対する考え方が変化している様子が伺えます。

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彼女の変化の轍

 その中でも、1番印象に残っているのは、ぷちデレラの「白雪千夜ステップアップエピソード2」です。彼女はイベントやカードのセリフでいろいろなことを語ってくれています。その中でも群を抜いてぷちデレラの各コミュは情報量が多いです。何の情報が多いかといえば、「声の表情」です。彼女が疎まれた点でもある「声」というものが白雪千夜というキャラクターを表現する最大の武器であったというのは、なんとも言い難いことです。こればっかりは聞いてもらうことが一番なのですが、さすがにここに貼るのは気がひけるので各自で確認していただけると幸いです(苦笑)。ちなみに私に最も刺さったのが「私のためになるときが......来ればいいですね」という一番最後のセリフです。この言葉はただの文として読んだ時と、彼女の声を担う関口理咲さんの演技を通してこの言葉を聞いた時では印象がかなり違います。というのも、声色といい、溜めといい、さらには息を吸う音といった声がついていることの利点を生かしきった彼女の言葉は心に深く突き刺さるからです。それは彼女に対しての印象が固まっている人にほどそのインパクトは強くなるはずです。ここのセリフの息、声のトーン、喋り方といった変化から、彼女がPに対しての距離感を登場段階から変化させていることが察せられました。確かに、相変わらずこちらを「お前」と呼びますし、その言動や行動はあまり変わっていません。ですが、確かに彼女と私たちとの距離は縮まっている、そう感じるには十分でした。

 

 それ以外にわかりやすく彼女の変化の兆しが見えるところは、デレステ4周年楽曲である「TRUE COLORS」のMV(2 Dリッチ)です。このMVでは私の担当の一人でもある肇ちゃんも登場していて、その話もどこかでできたらなと思います。閑話休題。このMVで彼女はそれまでに見たことのない表情を私たちに見せてくれました。その表情はどこか、アイドルというものに対する千夜ちゃんの考えが変わった、そんなことが感じられるようなものです。彼女の歌を聞いたことがある人ならわかると思うんですが、まだソロ版が公開されていない「Fascinate」を除けば、ボーカロイドのように淡々と歌っているんです。今までの曲、「おねがいシンデレラ」と「TRUE COLORS」は彼女の初期段階のアイドルの印象を表していると考えられます。ちとせ嬢に言われるままにアイドルを始め、自分としては関心がない彼女の姿をありありと表しています。このライブが今後の起点となると考えていくと、まだ見ぬ今後の登場が彼女の変化を示していくものになっていくと考えています。

 

 現に11月末にモバマスで登場した際には、その片鱗が見えています。覚醒後彼女は「この歌声を誰が求めるのか。アイドルの白雪千夜を待っているファンだろうか。そんな希有な者が...? いや... いなくても構わない。もしも私の歌に一片の価値があるのなら、何処かへ届けばいい...」、「滑稽なのはどちらか。乗せられて歌う私か、歌声に乗るお前か」と言い、自身のアイドル活動の意味を見出しているようです。自己評価の低さは相変わらずですが。

 

 このように見てきていただけると、彼女の第一印象は覆されるのではないでしょうか。彼女はかなり不器用な子です。そして、そこまで柔軟な方でもありません。担当Pとしてそんなん言っていいのか、と思われるかもしれませんが、器用な子ではないし、先に述べたようにちとせ嬢を指針に据えた、ある種他力本願な子であり、そこ以外には無関心であろうとした女の子だと私は今まで彼女を見てきて思います。

 

朧灯Pとしてのスタンス

 だからこそ、私は彼女をプロデュースするにあたって、『彼女がアイドル生活をしていく中で新たな価値観に触れ、様々な経験をすることで主体的なアイドル生活をし、自己に価値があることを認識してもらうこと』をプロデュース方針に据えました。彼女がアイドルとして活動するのは永遠のようで有限の期間です。だから彼女が今まで諦めてきただろうものを身勝手ながらこれから体感してもらおう。そう考えた次第です。君がその人生に価値を見出さないのなら、私が勝手に見つけさせてもらおう。私が君の人生に名前をつけよう。そんなことを考えて彼女を今まで見てきましたし、これからもその気持ちは忘れません。たとえ彼女が経験を積んだ結果、どんな決断を取るにしても、そこまでの道程が決して無駄じゃない、そう言えるようにしていたいと考えています。

 

アイドルマスター シンデレラガールズ に願うこと

 最後に、アイマスという一種の文化にデレマスから入り、デレマスから見続けてきて、ここ数年でようやく僕の担当たちは少しずつではありますが、周知されるよいうになってきました。声もつきました。それはここ2,3年のことです。声がつく、というのはシンデレラガールズのみで起こりうるアイマス全ブランドの中でも珍しいことです。また制作に他社がメインとして参加していること、バンナム内外とのコラボを積極的に行うことも珍しい傾向だと思います。更に言えば、初の単独ドーム公演を敢行したのもシンデレラガールズ でした。その上、190人という、ぶっちぎりに多いアイドルの人数を抱えるブランドです。その裾野の広さも特徴の1つであり、そのアイドルたちをプロデュースするPの考え方や振る舞い方のバリエーションの広さもそうであると言えると思います。だから、シンデレラガールズの一挙手一投足に対して様々な意見が噴出することは至極当然のことであると私は思います。そのことについて私は特に何か述べたい訳ではなく、そんな中で8年も続き、さらにこれからの理想も語れるということが単純にすごいな、と感心しています。当初はアイマスをソシャゲに適応させるための試験的なブランドだったことを考えたら、今まで形を変えずに続いていることには、感謝しています。

 

 願わくば、白雪千夜という女の子がより多くのことを体感し、彼女の物語が泰葉ちゃんのようにしっかりと語られますように。彼女の眼に映る世界が白黒ではなく、そのものの持つ本来の色を感じられますように。 そんなことを願わずにはいられないです。可愛くて魅力がある彼女ではありますが、偏見ができてしまっているのも紛れも無い事実だと受け止めています。これから幾千の夜をこえて成長していく彼女、白雪千夜をよろしくお願いします。とっつきにくいかもしれませんが、いい子なんです、この子。

 

 終わりに

 ここまで長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。もし少しでも彼女の印象が変わったり、気に留めていただけるというのであれば、シンデレラガールズの7th LIVE 大阪公演にLVでも構わないので足を運んでいただけると幸いです。ぜひ彼女の初舞台を見届けてください。よろしくお願いします。

 

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他にも、美玲ちゃんとりあむが出演するのでそちらもよろしくお願いします!