memento mori

「無関心に

 水を撒いても

    芽は出ない

    配点(追憶) 」

 

こんにちは。本来なら、アイマス学会in札幌について記事を先に上げたかったのですが、今日の日付は自分にとっての転機になった日付なので、その話について、少し書き残しておきたいと思います。

 3/11。9年前のこの日、私の地元を取り巻く環境は大きく変わりました。幸い内陸部に住んでいたために、直接的な被害はありませんでした。しかし、間接的な被害は甚大でした。いろいろあったし、消化するのにそこそこ月日は必要としたので、起きた内容については綴らないことにします。しかし、あの日、あの場所で見た光景と起こったことは忘れてはならないと思っています。私は月1くらいの頻度である定点カメラの映像を見て決して忘れないことに努めています。

 

今回わざわざ書き記そうと思ったのには、理由があります。私には弟がいます。弟はあの年に小学校に入学し、今年中学を卒業します。彼と話をしていてもあの日のことはあまり覚えていない、と言います。そんな弟の高校入試で驚くべきことがありました。最初の出願で、地元の高校が1校を除いて定員割れを起こしたのです。それは前代未聞でした。なにせ、県内でもトップ3に入る大きな街でしたし、教育委員会が各高校の定員を削減して、少子化に対応しようとしていたのですから。

 

ちょうど一昨日に札幌で国と東電を相手取った損害賠償で国と東電に請求が通ったり、少し前には双葉町で避難指示が一部ではありますが解除されました。また、14日には福島県の沿岸地域を走る常磐線の全線開通が予定され、被災10年を前にして少しずつ、再興の道のりを進んでいるように見えます。しかし、そのゴールは果てしなく遠い上に、輪郭がはっきりしていないように思います。以前と同じ暮らしを、というには些か時間が長すぎました。いや、まだまだ時間を必要とします。もっと言えば、原状回復はほとんど不可能だと思います。80%元どおりだとしても、それが100%になるのでしょうか。直接的な被害の少なかった私の故郷ですら、以前と同じとはいきませんでした。もちろんそこには少子高齢化という日本全土で問題になっている現象が関わっているのは否定できません。しかし、明らかに急速に街が老いてきていることを帰省するたびに感じます。

 

こんな言い方をしてしまうと、現在福島に住んでいる人たちから、反感を買うかもしれません。またこの文章を見てコイツは再興を諦めた人間だ、と皆様は思われるかもしれません。んなわけはありません。当然私は、故郷の復活を望んでいます。しかし、地元の現状をしっかり知ってもらわないことには、この困難さは理解されないことだと思っています。私は今住んでいる街で塾講師を少しの間、生業としていました。私の教え子たちに何度か話をし、何が起こっているのか、その時どうすればいいのか考えさせることをしました。想像できなければ、立ち向かえない。常に冷静な思考を心がけるように伝えました。そして、人命は蝋燭の火のようにあっけなく消えてしまうということも。そんなタイミングで私はまた大きな地震に遭いました。残念ながら当時の人々の行動は、あの時のそれと大差ありませんでした。また、状況は違いますが今2020年においても、人々の行動は大して変化ありません。成長などほぼないです。だから余計に私は地元の外であの時あったことを題材にして子供達に考える場を与えたい。そんなことをこっそり思索していたりします。だから、どれだけネガティブな話に見えても、知ってもらわないことには始まらないし、教訓にしてもらわないことには意味がない。

 

書き殴りの、かなり醜い文章であるため、あまり話が伝わらないかもしれません。しかし、知っていてもらわないことには、地元は風評被害の的か政権批判の材料にしかなりません。今福島がどういう状況に置かれ、どんな歩みを取るのか。少し前までそこにあったもの、会えると思っていたものが一瞬で消える空虚さ。そんな非日常的な感情を忘れて欲しくなくて、知らずにいて欲しくなくて、言葉を残します。この話題になると閉口してしまう人が少なくありません。でも語らないと、知ろうとしないと、いつの間にか空気になってしまいます。何年も前の今日にそんなことがあって、まだ終わってはいないこと。そのことを知ってください。もちろん1日中沈痛な面持ちをしていて欲しいわけではありません。はしゃぐのも、騒ぐのも、オールOKでしょう。ただ少し、数分でいいので想像してもらえたら幸いです。技術進歩で自然災害の死者数は減少傾向にあり、以前より重大な出来事と見られなくなっているように思います。だからこそ、軽んじないようにするためにも知っておいていただけたらありがたいです。3.11は、まだ終わっていないということを。

 

P.S.  東山奈央さんお誕生日おめでとうございます。今年中にデレマスのライブで「川島瑞樹28歳です」がとうとう聞けるのでしょうか、聞けるといいな。どきどき、わくわく。

それはそれとして、そっかぁ、東山さんが川島さんの年に並んだのかぁ・・・。